看護師のワークライフバランスと活躍の場

一般的な病棟看護師が、ワークライフバランスを図りながら活躍するのは容易ではない。夜勤のある病棟勤務で、家事や育児と仕事を両立させるには、家族のサポートが欠かせないからだ。自分の家族に要介護者がいて、在宅介護のため、ワークライフバランスが難しい病棟看護師も多い。

そこで、やむなく看護師を辞めてしまう事例も見られる。しかし、看護師がワークライフバランスを取れる職場もたくさんある。日勤のみの外来クリニックが良い例だ。夜勤が無ければ、ほぼ定時に帰宅できて、家事や育児に専念できる。日勤のみの職場は、クリニックに限らない。完全予約制の人間ドックや健診センターをはじめ、デイサービスのような通所介護施設や献血ルームから保育園や訪問看護に至るまで、看護師を必要としている。

もちろん、夜勤がないと夜勤手当をもらえないので、収入が減るというデメリットは避けられないものの、ワークライフバランスを取れることにより、生活のリズムが安定するだろう。特に、急患のない人間ドックや健診センターは、看護師の心理的負担が小さく、仕事で消耗することが少ない。

介護施設や保育園では、唯一の医療従事者として活躍できる。介護スタッフや保育士といった他業種の職員と交流でき、自分の家庭の介護や育児にも経験を活かせるのだ。このように、ワークライフバランスが図れるだけでなく、一石二鳥の職場もあることから、看護師の活躍の場として医療機関以外の職場も注目されている。